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伊勢神宮を本宗と仰ぐ、神社本庁傘下の神社です。

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「子房取履」について

瑳珂比神社には、「子房取履」と呼んでいる大絵馬があります。この大絵馬は文政5年(1822)に境島村出身の金井烏洲によって画かれており、同地在住の小島氏によって奉納されています。
この絵の題材は、中国の故事を集めた「蒙求」と言う本の中にあり、中国の学者・子房が、少年時代に恩師・黄石と出会った様子を描いたものです。その内容は、
ある日、張良(子房)が橋の袂を通りかかると、汚い服を着た老人が自分の靴を橋の下に放り投げ、張良に向かって「小僧、取って来い」と言いつけた。張良は頭に来て殴りつけようかと思ったが、相手が老人なので我慢して靴を取って来た。すると老人は足を突き出して「履かせろ」と言う。張良は「この爺さんに最後まで付き合おう」と考え、跪いて老人に靴を履かせた。老人は笑って去って行ったが、その後で戻ってきて「お前に教えることがある。5日後の朝にここに来い」と言った。
5日後の朝、日が昇ってから張良が約束の場所に行くと、既に老人が来ていた。老人は「目上の人間と約束して遅れてくるとは何事だ」と言い「また5日後に来い」と言い残して去った。5日後、張良は日の出と共に家を出たが、既に老人は来ていた。老人は再び「5日後に来い」と言い残して去って行った。次の5日後、張良はまだ暗いうちから約束の場所で待った。しばらくして老人がやって来た。老人は満足気に「おう、わしより先に来たのう。こうでなくてはならん。その謙虚さこそが大切なのだ」と言い、張良に太公望の兵法書を渡して「これを読めば王者の師となれる。13年後にお前は山の麓で黄色い石を見るだろう。それがわしである」と言い残して消え去ったという。
後年に張良はこの予言通り黄石に出会い、これを持ち帰って家宝とし、張良の死後には一緒に墓に入れられたという。
というものです。

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